働いていると、不当解雇やセクハラ、パワハラなどの労働問題に関わることがあります。
そういう場合、相手が上司や会社など、力関係で負けしていることが多いので、何もせず泣き寝入りしてしまうことも珍しくありません。
ですが、労働問題をそのまま放置してしまうと、キャリアが傷つき将来的に問題が生じることがあります。
また、会社を去っても、同僚や後輩たちが同じような被害に合うこともあります。
そこで訴訟や労働審判などを視野に入れた交渉することを考えて見たほうが良いこともあります。
訴訟や労働審判などで、会社や上司などの責任が認定されれば、それにより損害賠償請求ができたり、不当な命令を取り消したりする事ができます。
そして自分は間違ったことをしておらず、加害者に対して社会的に制裁を与えることが出来るという感情面での解決にも繋がります。
しかしながら、そういった交渉は、当事者間でも行うことは可能ですが、争点となる事実を証明するためには、明らかな証拠を集めなければいけません。
そして、その証拠を元に主張をする交渉力も必要です。
個人でそれをしようとすれば、相手は素人だからとまともに取り合わず、話が一方的に打ち切られてしまう恐れがあります。
交渉をしようとすることすら出来ないとなれば、精神的な傷はますますひどくなるだけです。
だからこそ、そのようなときには、躊躇せずに弁護士に交渉を任せてみることが最善です。
労働問題を得意とする弁護士であれば、過去の事例からどうすれば相手が交渉に応じてくれるのか、また依頼人にとって良い解決案を出すことが出来るのかを理解しています。
それに弁護士を雇ったという事実だけでも、相手は訴訟になり世間に醜聞として広まることを恐れて、なんとか和解しようと動かす力を持ちます。
それに、弁護士は依頼人の主張を裏付ける証拠探しをしてくれますから、それにより時間と労力をかけることはなくなります。
ただでさえ、労働問題はストレスがかかる問題ですから、最後まで続けていくうえで、それらの作業に煩わされることないというのは大きな魅力です。
このように専門家の知恵とノウハウを借りることは、メリットがあることは確かなのですが、それと同時にデメリットも理解しなければいけません。一番厄介な問題は金銭的な問題です。
ただでさえ弁護士への依頼というのは、相談料や着手料、交渉がまとまったときの報奨金など支払うものが多く、しかも相場が高いことで知られています。
労働問題では会社にいられなくなったために、職探しをしなけれいけない状況に陥ることも珍しくありません。
そうなれば、失業保険があったとしても貯金を切り崩しながら生活をしていくこともあり生活に余裕がないことも考えられます。
ですから、まず相談料や着手料を支払うことが難しくなるかもしれません。
それから、労働問題に強い弁護士を見つけなければいけません。
刑事事件や家庭問題、事故など扱う案件は様々なですが、その中で得意な分野というものがあります。
万が一、得意分野が異なった場合には、相手との交渉が上手くいかずに負けてしまう可能性があります。
それでは、賠償金をもらうどころか、諸々の経費を相手に支払わなければいけなくなります。
得意分野を調べるためには、簡単な方法はホームページを調べることです。
ホームページの説明に得意分野を記載していることも多いので、その文言を見つけたならば候補に加えて良いでしょう。
それから、業界団体などに紹介をしてもらうことも一つの方法です。
何について依頼をしたいのかを伝えて、適切な人を紹介してもらえば少なくとも得意分野が異なるという心配はなくなります。
最後は、無料相談などで直接話しをして、信頼できる、交渉力があると判断した人に依頼しましょう。
■若者の労働問題の深刻化、相談相手として選びたい弁護士
日本の社会には色々な社会的な問題が山積しています。
ここ数年で突如として発生した社会問題もあれば、戦後から永遠と政治家が先送りして来た根が深い問題もあります。
年金問題や保育所問題、景気対策や憲法問題、女性の人権や障がい者の社会進出、インターネット関連の法整備、消費税増税と社会保障制度のバランス等、多種多様な問題が山積みです。
いずれも明確な解決法が定まっておらず、なかなか解決への道筋は遠いです。
そして、それらの問題に加え、最近社会問題化して来ているのが、若者の労働問題となります。
長時間労働を強いられる若者が近年急増しており、最初はネットスラングだったとされるブラック企業なる言葉も、今では世間一般で広く使われるようなりました。
そういったネガティブな言葉が流行ってしまう程、実はブラック企業が世の中に台頭して来ています。
かつてブラック企業という言葉がネット上で生まれた時は、ごく少数の悪質な企業を指して使われていましたが、ここ数年で若者に違法な形で労働を強いる企業が急激に増加して来ました。
ただ、一説には十年程前からブラック企業は数多く存在しており、ネットの発達によって、労働者が横のつながりを得た事で自分の置かれた違法な状態に気づいた事で告発される件数が増えた、とも言われています。
若者の労働問題は極めて深刻な社会問題の一つです。
この問題は単なる労働条件の問題だけではなく、いわゆる世代間格差の問題も同時に持っています。
高度経済成長時代からバブル崩壊の時代までは、色々と小さな経済不況はあったものの、社会人の男女が真面目にコツコツと働いていれば、人並みの暮らしを送れました。
国民的アニメの一家のような、平凡でありながらも毎日平穏にご飯が食べられて、なおかつ友達はたくさんいて、結婚相手や子どもも自然と働いているだけで得られた、そんな穏やかな時代がかつてありました。
ところが最近では、失われた20年と呼ばれる通り、前代未聞の大不況に襲われました。
ただ襲われたばかりではなく、政治家がその対応を完璧に先送り、更には不況期に緊縮財政という真逆のスタンスを選んだ結果、現代に生きる若者達は極めて厳しい経済状況に置かれています。
それこそ真面目な社会人男女が働いても、一人暮らしでギリギリ生計を立てるのがやっとです。
友達と気軽に遊んだり、恋人を作ったり、ましてや妻子を得て悠々自適に将来に不安なく暮らせる時代は完全に終わってしまいました。
反対に若者の給与は不当に安く抑えられています。
それだけではなく、ブラック企業が台頭してきた結果、低賃金で長時間にわたり、不当に勤務させる事が半ば社会的なお墨付きを得つつあります。
過労死やうつ病、給与の未払い、パワーハラスメントによる休職、休日出勤の強要や有給休暇が申請出来ない問題等、現役世代の労働問題はもはや、法のボーダーラインを完全に超えてしまっています。
今日の労働問題の深刻さは世代によって認識がズレてしまっているため、相談相手が見つかりづらい点も目立ちます。
正しく現状の荒廃した労働環境の深刻さを理解してくれる大人が居ない、若者はこの点で更に絶望を感じてしまいます。
ただし、不幸中の幸いがあります。
皮肉な事ではありますが、大企業の若手社員が相次いで過労死した結果、その問題が現在では大きく関心を集めており、若者の労働問題の相談に快く応じてくれる法律事務所が各地に増えてきました。
どこか敷居が高い印象が否めない法律事務所ですが、近頃の弁護士の方々はとてもフレンドリーです。
明らかに違法な状態で毎日勤務を強いられている、何ヶ月もお給料が支払われていない、企業側から脱法行為を業務として指示されている、何かと理由をつけてサービス残業やボーナスの未払いが常態化している等、こういった問題は弁護士の先生に相談しましょう。